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南三陸町の戸籍データ消失についてメモ

今回の震災によって、南三陸町の戸籍データが消失した。周回遅れもいいところのニュースだけど、自治体の職員として今後の資料用にメモしておきます。

南三陸町の戸籍データ消失、法務局保存分も水没 (2011年3月20日03時03分 読売新聞)

東日本巨大地震で被災した宮城県南三陸町で、戸籍の全データが津波で消失した可能性が高いことが19日、明らかになった。

(中略)

南三陸町は戸籍を電子化して保存していたが、今回の地震で庁舎全体が壊滅状態となった。データは仙台法務局気仙沼支局(宮城県気仙沼市)でも保存していたが、同支局のシステムも津波で水没。他の法務局や自治体とデータを共有する仕組みはなく、同町の戸籍データは完全消滅した可能性が高くなった。今回の地震で、戸籍を管理する自治体と法務局両方のデータが消滅したのは同町だけだという。


1.戸籍とは
Wikipediaによれば、戸籍とは、戸と呼ばれる家族集団単位で国民を登録する目的で作成される公文書だそうです。解りづらいので、僕なりに言い換えると、誰々の妻は誰で、その子は誰で・・とかいう身分関係を証明するのが戸籍。

よく混同されるのが住民票。住民票にも「世帯主」なんて記載があるから戸籍との違いが解らなくなるのも無理はない。でも、住民票はどこに住んでいるのかといった居住関係を証明するもので、親族などの身分関係を証明する戸籍とは性質が全然違うのだ。ということで、戸籍がなくても住民票があればいいじゃん!というのはちょっと無理がある。

とにかく、戸籍は身分関係の証明なので、これがないと相当不便だ。まず、結婚が出きなくなる。あと、今回の震災では多くの方が亡くなったけど、戸籍がないと死亡届による戸籍の抹消やら火埋葬許可証の交付などが出来なくなる。しかも、親族関係を証明することも出来ないから、残された子どもが財産を相続することもできないことになる。

2.消失の責任は誰に?
こんな大事な情報だからこそ、今回の消失のニュースが非常にインパクトがあったんだけど、ネット上の意見を見ていると、そもそも南三陸町のデータ保管方法について疑問を呈していた人が多い。

・なんで今時クラウドじゃないんだ?
・バックアップデータは、同一災害に遭う可能性が低い地域に保存してこそ意味がある。気仙沼に置くなんてなんてマヌケなんだ?・・とか。

しかし、この批判を南三陸町に向けるのは見当違いだ。戸籍の保存場所については、戸籍法の中で、正本は役所に備え、副本は法務局が保管せよ(8条2項)とガチガチに定められていて、自治体がクラウド化をしたら法律違反になってしまう
(すいません。この部分は訂正します。詳細はこちらを確認してください。2012/01/27)

今回の戸籍消失で責めるべきは、法律に従ったバックアップをしていた南三陸町ではなく、そもそも時代にそぐわない保存方法を規定している戸籍法そのものであるべきだ。もっと言うと、住基ネットのゴタゴタにびびって戸籍法をほったらかしていた法務省が一番悪い!!

3.日本人への成りすまし
ネット上を見ていると、戸籍を再作成する際に、どさくさに紛れて外国人が日本人に成りすましするんじゃないの?という意見も多かった。

僕は市民課の人間ではないので、正確な実務はわからないけど、これは現実的には中々難しいのではないかと思う。仮に外国人が俺は日本人だ!と主張しても、日本人なら住基ネット上に本人確認情報が存在しているはずなので、ちょっと調べればしょうもない嘘はすぐばれるからだ。

ただ、難しいのが自分は外国で出生した日本人なんだと主張されたとき。出生届を南三陸町に送付してたのに!と言われた場合だ(しかもパスポートは持ってないケース)。これをどうやって防げばいいのかはよくわからない。日本人であるためには両親のどちらかが日本人じゃないとダメだから、両親のパスポートを提出してもらうのかな?というかこんなケースはありえないのかな?

ま、この点は、戸籍簿が全部なくなった場合には、法務局がその再製又は補完の方法を考える(戸籍法施行令9条)ってなってるから、法務局の出す案に期待することにしよう。

4.現在の状況
この記事を見ると、建物の中に約1年前の副本データが残っていたとのことで、今回はこれでかなりの部分は復元可能だね。でも最終的に全部復活するかは微妙なので、今後とも見守って生きたい。
津波で消失した南三陸町の戸籍データ、副本発見 (2011年3月22日18時23分 読売新聞)

あと南三陸町のHPを見ると、戸籍の受け付けを再開したそうです。がんばれ南三陸町!
緊急情報 : 東北地方太平洋沖地震に係るプレス発表資料 (南三陸町HP)

・取扱業務
1 住民票・印鑑証明書の発行
2 転出・転居の受付
3 戸籍の受付(出生届、死亡届、火葬許可書など)
4 各種相談(健康保険証など)


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テーマ : 地方自治 - ジャンル : 政治・経済

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