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(書評)2010年のワースト1

僕は面倒くさがりなので、書評を書くのはあまり好きじゃない。

でも、せっかくだから今年読んだ本のベスト1とワースト1だけは記録しておこうと思う。

今回はワースト1の紹介です。

(ただし、ワースト1と言っても、本当に箸にも棒にも掛からないものは、ワースト1にはなりません。一応、内容的には読ませるものに仕上がっているのに、最終的には???となってしまう残念な本、という意味でワースト1を選んでます。)

さて、2010年のワースト1は・・・

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
(2010/09/28)
橘玲

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ざっくりとこの本の内容を書くと、

・人間の能力は、身体的なものだけでなく、知能、性格、嗜好にいたるまで遺伝する。

・一方、社会は能力主義で動いていて、しかも、能力主義以外の方法を社会が採用することはない。

・したがって、遺伝的にあまり能力のない人は、いかに自己啓発本を読みまくっても能力は伸びず鬱病になるだけで、能力主義万能のこの現代社会では、成功することはあり得ない。

これが作者の言う「残酷な世界」ということらしい。

このあたりのくだりには賛否両論はあるとは思うけど、記述自体には説得力があるし、事例も豊富なので非常に読ませる内容になっている。

さて、そこからこの「残酷な世界」を生き延びる「たったひとつの方法」が紹介されるわけだけど、それが本当に意味不明。

著者は、薄給のバイク便に命を懸ける若者を例に挙げ、能力のない人ほど、自分の「好き」を仕事にするべきだと主張する。

なぜなら、能力のない人間は、自己啓発本を読んだって能力なんか伸びないし、どうせ無能のままなんだったら、薄給で退屈な仕事(マクドのアルバイトなど)を選ぶよりは、薄給だけど好きな仕事(バイク便など)を選ぶほうがマシだからだ。

ただし、単に「好き」を仕事にしているだけでは、薄給過ぎて体力的にもキツイから、ちゃんとその「好き」を収益化できるような仕組みを考えなければダメだと著者は説く。

・・・

しかし、そもそも収益の仕組み化というものは高度に知的な作業なわけだから、それが出来る人はもともと能力のある人のはずだ。能力のない人は、遺伝的に何をやっても無能なのではなかったか。

結局、この本は、前半と後半で思いっきり矛盾しているのだ。

残酷な現実を直視せよ!と警鐘を鳴らすのは別にいいんだけど、その著者自身が残酷な世界を受け入れ切れていないのではないか。

そんな残念な読後感が残る1冊。

前半は面白いんだけどねえ。。
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テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

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